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旺玄会は5年ごとに記念展を開催しており、「ゼロ」のついた年度においては、何らかの意味で創立者牧野虎雄に因んだ展覧会を開催し、「5」のついた年度においては、それ以外の先輩作家の展覧会を企画して参りました。
第80回展では、「瓢人先生(牧野虎雄)とその時代」と題して、旺玄社・旺玄会の草創期の大作家たちの展覧会を開催し、大きな話題となりました。
第85回展では、旺玄社時代から今日迄の間で、旺玄会に大きな足跡を残してきた作家たちを幅広く取り上げることにいたします。
その中で旺玄社から旺玄会に亘り長期間活躍した作家としては、田澤八甲、阪井谷松太郎、近藤せい子、杉浦勝人、五十嵐祥晃(敬称略)の各氏を選びました。創立者牧野虎雄の盟友、門下生であった、いわば会史第一世代の作家たちです。
次に、戦後旺玄会として再出発した当初から参画し、長期間会の指導的立場にあった作家としては、高野真美、市川加久一、玉之内満雄の三氏を選びました。
高野真美は、林武とも親交のあった実力者であり、旺玄会では有力な後継作家を多数育成した貢献で、市川加久一は、関西地区の中心作家であると同時に大阪以西の公募展として関西旺玄展を立ち上げたことで、玉之内満雄は、その独特な精密描写で当時の美術愛好家を魅了し、旺玄会の存在感を大いに高めたことにより、それぞれ特筆に値する作家であると言えます。
また、旺玄会のある時期から比較的最近まで活躍した技量卓越の作家は多数ありますが、今回は北川金治、宮城健盛、荒井孝人、吉尾房子、吉尾芳郎、遠井正夫の各氏を選ばせて頂きました。何れも個性的で優れた描写と共に会務への貢献でも知られており、今日の旺玄会に大きな影響を残しております。
その他、旺玄社以来の出品者名簿を見ますと、現在各会の創設者となっているような超大物作家が一時出品しておられた記録がありますが、その中で、主として知求会で活躍された佐藤多持、幸田侑三の両氏は、委員として在籍し、上位賞も受賞されておりますので、会史に残る重要作家に数えて良いと思います。
今回ご紹介する16名の作家は、いずれも個性的で、画風は極めて多様ですが、作家自身の美意識に基づく表現を貫いており、作家個人の自由な発想を尊重する旺玄会に相応しい作家たちであると言えます。
制作された時代は異なりますが、作家の理想とする美への探求をお酌み取り頂ければ幸いです。 |
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旺玄社時代から旺玄会にかけて活躍した作家たち |
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田澤 八甲(1899〜1970) 青森 |
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雪国の少女(油彩91×65) |
山の子供(油彩60×72) |
新涼(油彩31×41) |
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阪井谷 松太郎(1907〜2008) 埼玉 |
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秋 (油彩 F40) |
運河の朝 (油彩F100) |
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近藤 せい子(1916〜2008) 東京 |
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冬の街 (水彩45×53) |
たいさんぼく(日本画F10) |
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杉浦 勝人(1910〜1984) 神奈川 |
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鳥の巣のある静物(油彩P60) |
フランスボンボン(油彩P25) |
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五十嵐 祥晃(1911〜2000) 東京 |
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裸婦習作(油彩F30) |
I(アイ)婦人像(油彩F10) |
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旺玄会の立ち上げから長期に亘って活躍した作家 |
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高野 真美(1900〜1980) 東京 |
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春讃(油彩F50) |
朝(油彩F60) |
熱帯魚と女(油彩F40) |
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市川 加久一(1905〜1988) 大阪 |
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オランダの娘(油彩116×91) |
祇園まつり(油彩116×91) |
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玉之内 満雄(1929〜1997) 埼玉 |
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漁船B (油彩F50) |
麦秋(葱坊主) (油彩145×130) |
古城の見える室内 (油彩F60) |
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旺玄会のある時期から比較的最近まで活躍した作家 |
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北川 金治(1917〜1995) 神奈川 |
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瀬戸内暮色(油彩F40) |
旭日富士(油彩F50) |
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宮城 健盛(1915〜2001) 沖縄 |
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塔の見える風景(油彩F30) |
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荒井 孝人(1923〜2014) 神奈川 |
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夢幻 (油彩F80) |
夢幻 (油彩F80) |
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吉尾 房子(1922〜2006) 東京 |
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ベネチヤの午後(油彩F12) |
波止場(南仏) (油彩F10) |
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吉尾 芳郎(1928〜2010) 秋田 |
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秋 思 (油彩F20) |
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遠井 正夫(1922〜2009) 埼玉 |
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カレンダーのある静物たち (油彩F30) |
卓上の静物たち (油彩F50) |
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一時旺玄会で活躍された異色の作家たち |
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佐藤 多持(1919〜2004) 東京 |
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水芭蕉曼陀羅53・黄 (日本画F50) |
水芭蕉曼陀羅・黄 (日本画F50) |
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幸田 侑三(1930〜2001) 東京 |
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果物籠のある静物 (油彩F30) |
家(油彩F20) |
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