公募美術団体　旺玄会 2021 企画展「生命の根源、水を描く」

受賞者・一般入選者

企画展

　今年のテーマ「生命の根源、水を描く」は、元々第86回展の為のもので、作品の制作も着々と進められていながら、新型コロナウイルス感染防止の見地から開催が中止され、改めて第87回展で発表されることになったものです。
しかし、テーマ選定の趣旨は以下の通りで、些かも変わっておりません。
　地球の歴史の中で、あらゆる生命体は水の中から生まれたとされます。
また、水なくして、人類の生存はあり得ません。水は生物体を構成し、人類の飲料であり、食料の中に含まれます。
　古代ギリシャの自然哲学者ターレスによる、「万物の根源は水である」は、後の錬金術や自然科学の発展に繋がっていきました。
　また、水は、山紫水明、花鳥風月といわれるように、美しい景観を形づくり、古来画家や詩人の創作意欲をかき立てる存在でもありますし、その力は、人類には無くてはならないエネルギー源でもあります。
　しかし、その水は、一度狂うと大変な災害をもたらすものであることは、ここ一両年に亘って、何度も日本列島を襲った巨大台風による被害によって、人々の記憶に新たなことといえます。
　時は令和となりましたが、天皇陛下は水の研究家であり、その造詣の深さから世界的に著名であると同時に、水害の罹災地では、被害者の目線で慰問を続けておられます。今回の展覧会は、水についてのあらゆる「態様」を私達に考えさせてくれる絶好の機会であり、正に令和の時代に相応しい企画展示といえるのではないかと思います。
　例によって、支部から推薦された作家、本部から推薦された作家があり、会員・会友はもとより、常任委員から一般出品者までが参加しております。
　前回までは、１０号～２０号に限定した標準サイズだったのに対し、今回は、縦長の変形に限り、上限を１６２㎝までとしたため、かなり縦に長い作品が少なからず見られるのも一興です。
　展示された45点の作品は、どちらかというと、美しさが先行し、脅威の影はあまり見られないかもしれませんが、制作中、テレビで各地の被害状況を見るとなかなか筆が進まないという声が、本部事務局に多数聞こえてきました。
　水の美しさを眺めながら、水問題に深く思いを馳せて頂ければ幸いです。


滝水彩　P20 伊郷武治（会友　大阪）	日の出版画　38×28 伊藤　功（委員　神奈川）	海　遊アクリル　F10 浦田道数（会友　大阪）


カースル・クーム油彩　P10 大小田キミ子（会員　東京）	雨上がり水彩　F20 奥山幸子（常任委員　神奈川）	水辺（茜さす）日本画162×52 鍵和田智子（委員　神奈川）


丸山千枚田油彩　F20 川野信敏（会員　大阪）	しぶき油彩　F10 木下ひろこ（委員　神奈川）	水の守護神版画　52×39 木間塚克実（会員　神奈川）


阿難と阿那津油彩　F20 倉内崇之（会員　大阪）	水パステル　F20 倉橋晃子（委員　大阪）	再生版画　45×35 最賀正明（会員　東京）


白い瀑布油彩　F10 坂本　守（会員　愛知）	水　面油彩　F10 佐々木真由（委員　北海道）	水　滴油彩　F10 佐藤　均（会員　秋田）


湧　水日本画136×53 鈴木てん子（会員　東京）	渦　潮油彩　F10 住友篤子（会友　徳島）	水　源油彩　F10 住友洋士（一般　徳島）


月の雫は・・・ミクストメディア150×50　高桑昌作（常任委員　埼玉）	潮に問うアクリル　F20 瀧　泰子（会員　三重）	北海道の秋水彩　53×45 武田輝雄（委員　北海道）


水温む油彩　F15 角田寛弥（会員　神奈川）	水のこころ水彩　F15 鳥澤明美（会員　千葉）	水と童心油彩　M12 長沢　明（会員　静岡）


春の海油彩　F20 中野定昭（会員　秋田）	海の阿修羅アクリル　F20 中原廣江（会友　岡山）	白　雨日本画　70×27 中村恭子（委員　山口）


風そよぐ・・・の小川油彩　106×53 長森雅世（会員　千葉）	干　拓油彩　F20 萩原孝正（会員　岡山）	稲の波・水の華油彩　M20 濱田充代（一般　和歌山）


水辺の風油彩　F20 平倉洋子（会員　神奈川）	厄災の奔流に漂う生命版画　F20 平松康弘（会員　山口）	回青代々油彩　F20 福田史歩（会員　神奈川）


浮　遊油彩　S10 藤井紀美子（会員　三重）	四十八池アクリル　F15 堀川　博（会友　埼玉）	清　流油彩　F10 宮島　明（委員　愛媛）


清　れ水彩　56×45 森田克良（委員　神奈川）	神秘の滝油彩　S20 山崎　優（委員　神奈川）	雫油彩　160×60 山崎良太（会員　千葉）


水の精（明日へ）ミクストメディアF10 山下正則（会員　三重）	外は雨油彩　F10 山田　徹（会友　愛知）	清　流油彩　F20 山田洋子（会員　東京）


馬と海油彩　F20 山本俊昭（委員　山口）	水の惑星ガラス絵　F10 渡邉義男（委員　東京）

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